『村八分物語』職場いじめ体験談│ワーママ・インタビュー(1)

仕事を辞める原因の多くは人間関係。上司、部下、同僚といった人たちとハラスメントやいじめというトラブルになることもあります。
今回は、はまみ~運営メンバーの橋本裕美さんが体験した職場いじめについて紹介します。
*インタビュアー:くろだゆうみ(はまみ~運営)

職場いじめの始まりは?「あなた、みんなに嫌われているわよ。」

橋本裕美さん(はしもとひろみ。以降ひろみさんと呼びます)は、小児歯科専門の歯医者で歯科衛生士として勤務し退職。子どもが小学生になって、別のクリニック(一般歯科)で歯科衛生士として働くようになりました。

くろだ「はまみ~の活動で子どもが来るとひろみさんがいつもあやしてくれるよね。子どもの扱い上手!ギャン泣きしている子の扱いも手慣れたもん。」

ひろみ「任せて!どんなに泣いている子でもかわいい~‼」

くろだ「そこのクリニックで働くようになってすぐ、いじめにあったの?」

ひろみ「働き始めて3か月後かな。同僚の態度がよそよそしくなって、無視されたようになったの。」

くろだ「何かきっかけがあったの?」

ひろみ「最初はそれがわからなかった。私は、新人だからでしゃばらないようにしていたし。」

くろだ「自分には何も覚えがないのに、そういう態度されたら嫌だよね。」

ひろみ「それである日、一緒の時間に働くベテランスタッフから『あなたスタッフ全員に嫌われているのよ』と言われた。」

くろだ「え?普通そんなこと言う?」

ひろみさんは、シフトの関係でスタッフの中には会ったことがない人もいました。接点が少ないのに嫌われているというのはおかしな話ですが、ひろみさんは「プライベートと仕事は別だからそれでも構わない」と考えていました。

くろだ「職場の同僚と仲良しにならなくてもいいよね。私もそう思う。」

ひろみ「そうなの。ちゃんと仕事できればいい。だから『あなた嫌われているよ』と言ってきたベテランスタッフの人に、私『それでも構わない』と返事したの。」

くろだ「つ、つよいね。」

くろだ「ベテランスタッフの人とは普通に会話してたの?」

ひろみ「最初はそうだった。仕事ができるし、いい人だと思っていた。けれど、後からわかったのは、私の職場いじめの元凶はこの人だったの!」

くろだ「!!!」

職場いじめはどんなことされた?嘘、裏でコソコソ

ひろみさんは、小児歯科専門のクリニックで歯科衛生士として勤務してました。そのため、子どもの歯についてはとても詳しいし、泣いて暴れる子どもの扱いも上手。
クリニックの院長からも「泣く子どもは、ひろみさんが担当するように」指示されていました。

ある日、治療を拒否する子どもが来院したときに、ベテランスタッフAさんが「ひろみさんではなく自分が子どもの担当するようにと院長が指示した」と言いました。
院長の指示ということで、子どもの治療をベテランスタッフAさんに任せ、ひろみさんは別の仕事をしていました。
治療が始まると子どもは大泣き。治療がうまくいかず、院長は「どうしてきみが担当しなかったのか」とひろみさんを責めました。院長はベテランAさんに子どもの担当をするようには指示してなかったのです。

くろだ「嘘をついてまで、そのベテランさんは扱いが難しい子どもを担当したかったの?」

ひろみ「そうなるよね。」

くろだ「泣いて暴れる子なんて面倒なのに。院長には説明したの?」

ひろみ「院長に経緯を説明し、今後は院長に確認するようにしたよ。」

くろだ「そのベテランさん、信用できないもんね。他に、何かされたの?」

ひろみ「そのベテランAさんは、他のスタッフに私の言動を捻じ曲げて伝えたり、嘘をついていたようなの。私は午後勤務が多かったけれど、午前勤務のスタッフに『橋本さんがみんなの悪口言ってた』と言ってたみたい。だから、会ったこともない人にも嫌われてしまったらしい。」

くろだ「わー裏でコソコソそんなことしてるの?ひどいね。」

ひろみ「当然私はみんなから嫌われるよね。『あなた、スタッフみんなから嫌われれているよ』と伝えてくれたベテランAさん、あなたの仕業なんですが。」

くろだ「そのベテランAさんのせいだと気がついたのはいつ?」

ひろみ「はっきりわかったのは、予約ミスがあったとき。」

職場いじめの真相が発覚。あなたならどうする?

歯医者の多くは予約制。ひろみさんが勤めていたクリニックにはネット予約はなく電話予約でした。
そこのクリニックには受付スタッフはいないため、歯科衛生士のスタッフが受付や電話対応などもしていて、スタッフは患者さんから予約をとると、紙の予約表に記載していました。

あるとき、ひろみさんが勤務していると、予約表には記載されていない患者さんが来院しました。ダブルブッキング、クリニック側のミスでした。
ひろみさんはなんとかその場をおさめほっとしていたら、ベテランスタッフAさんが掲示板に何やら貼っています。
貼ったのは、その予約ミスの原因となったメモ。その掲示板はスタッフみんなが見る場所で、見せしめのようにも見えました。ひろみさんは「そんなことまでしなくてもいいのに」と思いつつもベテランの人のやることには口を出せずにいました。

すると数日後、スタッフの態度がさらによそよそしくおかしくなっていることに気がつきました。
さらに、スタッフの一人が「あなた、掲示板にどうしてメモを貼ったの?!見せしめのつもり?やりすぎじゃない?!」とひろみさんに文句を言いに来たのです。

これにはひろみさんもびっくり。メモを貼ったのはひろみさんではなく、ベテランスタッフAさんです。
ひろみさんは、Aさん以外のスタッフに話をきくと、ベテランスタッフAさんは自分で掲示板にメモを貼ったのにも関わらず、周りには「ひろみさんが貼った」と吹聴していたことがわかりました。

くろだ「ひやー!Aさんが陰でやってたんだね。真相がわかった後はどうしたの?」

ひろみ「経緯を説明して院長に一任することにしたよ。でも、当時は午後勤務するスタッフは私とベテランスタッフAさんしかいなくて、ベテランのAさんに辞められたら困る院長は特に何もしなかったの。私も特にしなかったよ。」

くろだ「え?それだけ?嘘ついて陥れようとしたベテランAさんを責めたりしなかったの?」

ひろみ「スタッフに嫌われている理由がわかってスッキリしたから。みんなも真実を知ったしね。」

ひろみ「私は、その人を辞めさせる気はなかった。院長の判断でクビはいいけれど、私が口を出したことでその人から『あいつのせいで仕事クビになった』なんて思われたくない。」

予約ミスのトラブルでベテランスタッフAさんの嘘が明るみになったけれど、Aさんはお咎めもなくクビにはなりませんでした。

ひろみさんはAさんと一緒の時間に勤務し続けました。予約ミスでのゴタゴタの後も、Aさんは陰でコソコソ。ミスを隠したり、他の人にミスをなすりつけたりしていました。ひろみさんのせいにされることもあったそうです。

くろだ「Aさんのしていることは嫌がらせだよね。無視やミスのなすりつけは、職場いじめだもと思う。かなり居心地悪い職場だと思うけれど、ひろみさんは辞めなかったの?」

ひろみ「そもそも私は悪いことなんてしてない。辞める理由はないわ。私が辞めたら向こうが喜ぶだけ。なら私に辞める理由はないの。それにね『Aさんが私をいじめるから辞めます』なんて逃げたくない。売られたケンカは買う主義なの!」

くろだ「つ、つよい。」

Aさんの嘘がバレても、それでもスタッフの多くはAさんの味方。
トラブルを避けるために、ひろみさんはAさんの指示に対し、疑問があれば確認するようにしました。院長にも確認して、とにかく自衛することにしました。

くろだ「上司である院長はひろみさんを守ってくれなかったの?」

ひろみ「Aさんはベテランスタッフで仕事はできた。シフトの都合もあり、私以外のスタッフにはそんなに害はなかったの。だから、院長はできれば事を荒立てなくなくてね、そのまんま。」

くろだ「いじめはよくないと言うけれど、いざ、いじめが発覚しても対処しないよね。」

ひろみ「いじめられたくなければ、自分の身は自分で守らないといけないわね。」

いざ決断のとき。辞職するのは職場いじめが理由ではない

嫌がらせを受けながらも、辞めずに働いていたひろみさん。ひろみさんは仕事自体は好きで楽しかったそうです。
また、当時は「このクリニックには私がいないといけない!」「子どもが自立するまで働かないと!」と考えていたのでずっと辞めませんでした。

ひろみ「週6日出勤 なんてこともやっていたよ。」

くろだ「ワーカホリックみたいね。」

ひろみ「でも、マインドブロックバスター※のことを学ぶうちに、仕事を休むことへの罪悪感が無くなったの。少しずつこの職場にいなくてもいいと考えるようになった。」

くろだ「人間関係、最悪でも?」

ひろみ「社会人って、相手のことがいやでも付き合わないといけないよね。お互い気が合わないことはあるわ。最低限の仕事上の付き合いはするのが大人。」

くろだ「正論。だから働いていたんだね。そういえば、今はクリニックで働いていないけれど、いつ辞めたの?」

ひろみ「またスタッフみんなから無視されるようになったことがあってね…」

それは突然でした。スタッフの態度がよそよそしくなり、ひろみさんと誰も口をきこうとしない。入ったばかりの助手の子まで。

けれど、そんな状況はひろみさんにとっては何度目かのことで慣れたもの。ひろみさんは、すぐに誰かのしわざだと気が付きました。

無視が1ヶ月続いた頃、ひろみさんは院長と話し合いをしました。そこでひろみさんは、院長に「辞めたい」と伝えました。

院長は「実は、他のスタッフ数人が同時に辞めたいと言っている」と話し出しました。
さらに、辞めたいと言っているスタッフは、「ひろみさんがブログにクリニックのスタッフの悪口を書き込んでいる、悪口を書き込む人と一緒に仕事なんてできない」と言っていたそうです。

くろだ「ひろみさんはクリニックで働きながらフリーでも活動していたんだっけ。それで個人ブログやっているんだよね。ブログに悪口書き込む?」

ひろみ「そんなことない笑!」

さらに院長は「個人での仕事(副業)が問題になっている」とも話しました。

ひろみさんは働き始める前に院長にフリーで活動していることを伝えていました。院長は”ひろみさんがしている個人での活動は、クリニックとは無関係で法的にも問題はない”とわかっていたそうです。

けれど、スタッフの人が「副業はよくない」と言い出したので、クリニックでは今後副業禁止にすることにしたそうです。

くろだ 「ひろみさんは正社員だったの?」

ひろみ 「パートよ」

くろだ 「仕事内容や雇用条件によるけれど、基本は縛られないよね。勤める時に確認しているし。」

ひろみさんは、ここでようやく決断しました。ひろみさんは院長に「私には やりたいことがあります。 そのためにここを辞めます。」と伝えました。

くろだ「やりたいことって?」

ひろみ「今のようにフリーで働きたかったの。」

くろだ「そっか。嫌がらせされても辞めなかったのにね。」

ひろみ「それまではずっとここで働かなきゃいけないと思い込んでいた。子どももまだお金かかるし、クリニックの人手不足も気になっていたし。なんだかんだ言い訳して辞めなかった。けれど、いろんなことを学んでクリニック以外の世界を知るうちに、やりたいことができたの。」

くろだ「で、ようやく決断したんだね。でも、辞める前に一言文句言いたくなったりしなかった?」

ひろみ「スタッフ全員でのミーティングの機会があって、そこで今までの嫌がらせのことを全部しゃべることも考えたけれど、結局しなかったわ。ミーティングにも出なかった。」

くろだ「それはなぜ?」

ひろみ「ミーティングに出たおかげで何か事態がよくなっても私は辞めることに変わりはないから。」

くろだ「あぁそうか。職場いじめから逃げるために辞めるのではなくて、やりたいことができたからだもんね。」

ひろみ「ここのスタッフと和解するぐらいなら、もっと別のことに気力と時間を使いたかったの。」

くろだ「そっか。今はフリーでいろいろ活動しているね!」

ひろみ「職場いじめにあったけれど、人生そんなことばかりではない。世界は広いから。

職場いじめにあったら、あなたはどうする?

働くうえで人間関係のトラブルはつきものです。職場の人間関係で悩み心身に不調が出たり、休職・退職したり、そういうこともしばしばみられます。

けれど、ひろみさんは職場いじめにあいながらも辞めずに仕事を続けました。つらい状況においても、屈せず逃げず腐らずにいられるのは、なかなか難しいことです。
つらい状況にありながらも働けたのは、ひろみさんの心のあり方のおかげだと私は思います。人間関係にお悩みの方はひろみさんにきいてみてくださいね。

ひろみさんのプロフィールやお問い合わせ先は以下にあります。
●橋本裕美(はしもとひろみ)
マインドブロックアテンダント。元小児歯科歯科衛生士。はまみ~運営。
   ・HP
   ・ブログ
 今回の体験について、ひろみさんのブログの『村八分物語』というシリーズで詳しく語られています。こちらもぜひお読みください。⇒村八分物語

●インタビュアー、記事編集:くろだ ゆうみ
 はまみ~(横浜ワーキングマザーの会)運営。フリーでブロガー・ライターとして活動しています。

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